小泉龍司法相は5日の閣議後記者会見で、非正規滞在の外国人に対し、法相の裁量で日本での滞在を認める「在留特別許可(在特)」のガイドラインを改定したと明らかにした。在特を判断する際の考慮事情を明確化した。6月15日までに施行される改正入管法と同時に運用を始める。
2023年6月に成立した改正入管法は、本人による在特の申請制度を創設した。在特を付与するかの判断に当たり、「家族関係」や「素行」といった事情を考慮するとし、出入国在留管理庁は改正入管法に対応したガイドラインの策定を検討していた。
新たなガイドラインでは、家族とともに生活する子どもの利益の保護の必要性と、地域社会との関係構築について積極的に評価すると明示した。例えば、家族全員が非正規滞在であっても、子どもが日本で相当期間教育を受け、親が地域社会に溶け込んでいるような場合は積極的な事情と評価される。
一方で、改正入管法で新設される、国外退去とされた外国人を入管施設に収容せずに送還手続きを進める「監理措置」の対象となっていたり、仮放免中に逃亡したりした場合は消極的な事情として評価される。
これらを総合的に踏まえ、積極評価が消極評価を明らかに上回る場合、在特を認める方向で検討する。小泉法相は会見で「いかなる事情がどのように考慮され得るのかを例示的に示した。在特の判断の透明性がさらに高まる」と述べた。
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