リビングウイルとは?

相続・遺言

先日、私の事務所に近所のおじいさんが訪ねてきました。ご自身はまだまだお元気なのですが、万が一事故に遭ったときや病気で自分の意思を明確に伝えられなくなったときに、無駄な延命措置はしてほしくない、ときっぱり。
そのような意思を周りに伝える手段はあるのでしょうか?

私はまだ元気だが、万が一のとき、自分の考えを伝える手段はないかな?
家族の負担を考えたら、無駄な延命治療とかは受けたくないんだけど・・・

先生
先生

そんなときは「リビングウイル」を活用しましょう!

リビングウイルとは:尊厳死を考える一歩

私たちは、いつどのような状況に遭遇するかわかりません。重篤な病に倒れ、自分で意思表示ができなくなったとき、あなたはどのような医療を受けたいですか?ここで重要になるのが「リビングウイル」、つまり「生前遺言」です。これは、将来自分が判断能力を失った際に、どのような医療を受けるか、または受けたくないかを事前に文書で明記しておくものです。

リビングウイルの重要性

リビングウイルは、尊厳死や延命治療を拒否するためのものだけではありません。もちろん、延命措置を望む意思表示も可能です。大切なのは、自分の意志を明確にし、家族や医療提供者に伝えることで、後のトラブルや家族の負担を軽減することにあります。

準備するもの

  1. リビングウイルのテンプレートまたは用紙(インターネットでダウンロードできます)
  2. 筆記用具
  3. 身分証明書(公証人による確認が必要な場合)
  4. 医師や専門家との相談に基づいた意思決定

リビングウイルの書き方

  1. はじめに: 自己紹介と文書の目的について簡潔に記述します。
  2. 医療に関する意思: どのような医療を受けたいか、または受けたくないかを具体的に書きます。例えば、人工呼吸器の使用や延命治療に関する意思表示です。
  3. 特定の状況: どのような状況でこのリビングウイルが適用されるかを定義します。昏睡状態や末期がんなど、状況を明確にします。
  4. 代理人の指定: 自身の意思を代弁できる信頼できる人物を指定します。この人物には、リビングウイルに基づいて判断を行ってもらいます。
  5. 署名と日付: 署名と日付を忘れずに記入しましょう。可能であれば、公証人の立ち会いのもとで署名を行います。
  6. 証人: 証人にも署名してもらい、文書の信憑性を高めます。

最後に

リビングウイルは、法的な拘束力は弱いものの、医療スタッフや家族に対して、自分の意思を明確に伝えるための重要なツールです。この文書を作成することで、自分自身の意思を尊重してもらうだけでなく、愛する家族に対して、困難な時に明確な指針を与えることができます。

リビングウイルの準備には、医師や行政書士などの専門家と相談することをお勧めします。正しい知識と情報に基づいたリビングウイルが、あなたとあなたの家族にとっての安心につながるでしょう。弊所でもリビングウイルのご相談が増えてきています。お気軽にご相談ください。

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