かなり遠方の方ですが、当事務所ホームページを見た、任意後見について詳しく話を聞きたい、と訪ねて来られた方がいました。
私の母(89歳)についてなんですが、母はまだ元気でなんでも自分で出来る状態で今はそんなに心配ないけど、将来のことを考えたら不安で・・・
先生
わかりました、それでは「任意後見」という制度について説明しますね
任意後見制度とは?
任意後見制度とは、将来、認知症などで判断能力が不十分になった場合に備え、あらかじめ信頼できる人(任意後見人)に自己の財産管理や身上監護を任せることができる制度です。これにより、本人の意思に基づいた生活が保障され、不本意な成年後見制度の開始を避けることができます。
任意後見の流れ
- 任意後見契約の締結
- まずは任意後見人となるべき人と契約を結びます。この契約は、公証人の立会いのもとで公正証書により行われる必要があります。
- 公正証書の作成
- 公証人は、契約内容を確認し、双方の意思表示が自由かつ明確であることを確認した上で公正証書を作成します。
- 任意後見監督人の選任
- 必要に応じて、任意後見監督人を選任することができます。監督人は、任意後見人の業務を監督する役割を果たします。
- 契約の効力発生条件の定め
- 通常、契約には、本人の判断能力が低下したときを効力発生の条件として定めます。この条件が成立したことの確認方法も契約に記載します。
- 登記
- 任意後見契約が効力を発生するためには、家庭裁判所に任意後見契約証書の登記を申し立てる必要があります。これにより、契約は第三者に対しても効力を持ちます。
必要な手続き
- 任意後見人の選定
- 信頼できる人物を選び、その人と任意後見契約を結ぶことから始まります。
- 公正証書の作成
- 契約を公正証書として作成するためには、公証人役場を訪れ、契約内容を公証人に説明する必要があります。
- 家庭裁判所への登記申請
- 公正証書を添えて、家庭裁判所に登記を申請します。申請には、登記に必要な手数料がかかります。
- 任意後見監督人の選任手続き
- 任意後見監督人を設置する場合は、その選任に関する手続きを行います。
まとめ
任意後見制度は、将来に備えて自身の意思に基づく生活を守るための重要な手段です。この制度を利用するには、任意後見契約の締結から公正証書の作成、そして家庭裁判所への登記という一連の手続きを進める必要があります。また、任意後見人として適切な人物を選ぶことも非常に重要です。万一の事態に備え、早めに準備をしておくことをお勧めします。当事務所代表行政書士は、公益社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員として必要な研修を積み、みなさまのお役に立つ活動をしています。お気軽にご相談ください。
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